身体意識講座「肋骨やじろべぇ」
どーも、景嗣です。
新しい企画をやろうと思う。
題して、「身体意識講座」だ。
読者各人、「自分の身体の動かし方」というのを意識したことはあるだろうか。
特に、スポーツをやっている方は、「自分の身体の動かし方」なり「自分の身体を動かしていくうえでの感覚的な意識」みたいなのがあって、常にそれを意識して練習に励んでいることかと思う。
僕も少林寺拳法を修練する中で、完全に僕独自の感覚ではあるが、「こういう身体意識を持つとパフォーマンスが上がるような気がする」というのを感じながら鍛錬を積んでいる。
なので、少林寺拳法における自己のパフォーマンスを上げるために、研ぎ澄ましてきた「身体意識」について、いくつか紹介してみようってのが、本シリーズの趣旨である。
非常に感覚的な話になる。理解できないときは、( ´_ゝ`)フーンくらいの気持ちで見流すようにしてほしい。
また、本シリーズを執筆していくうえで・・・・
「高岡英夫」という身体科学を研究する学者を紹介しておく必要があるような気がする。
「ゆる体操」を提唱した学者として一部の世界では名が通っているのだが。
↓彼の著書↑
彼の学説は、学会内でも独特の位置づけにされており、賛否両論が激しい。
しかしながら、僕個人としては、
「あー、この身体意識、思えばあるわ、あるある!!」
と思うものがいくつかあって、非常にシンパシーを得ることがあった。
(まぁ、理解しかねる学説も色々あったが・・・)
僕自身の身体意識をより認識しやすくするために、彼の著書・論文を読み漁ってよく参考にしたものである。それゆえ、僕独自の身体意識とはいえども、どうしても彼の図描・表現に似たような形の説明になってしまいそうでコワいのだ。
盗作は研究者にとってタブーである。実際ならば、正式な形式を経たうえで引用していくのが筋であるのだが・・・
なるべく本ブログでは、僕自身の感覚的な経験を重視したいというのもある。できるだけなら、自分のコトバで伝えていきたい。
まぁ、客観的には盗作だとも言われかねないのでその予防線として彼とその著書の紹介をさせて頂いた。
ヤバくなったら、「彼の考えを引用しましたぁ。てへぺろ♡」とでも言えるようにね。
さて、今回紹介するのは・・・
身体意識 「肋骨やじろべぇ」である。(命名、景嗣)
(高岡氏は、これを「肋体??」とかそういう名称で呼んでいる)
人間の身体は上図のような感じであるが、今回紹介するのは、肩や胸周りの可動域に対する身体意識の話をさせて頂く。(僕、絵を描くの得意なんです)
まずは下図を見てほしい。
僕の、頭から胸周りにかけてまでの身体意識は上のような図になる。
(正直なところ、上図は高岡氏の身体意識の図描に酷似している。もはや彼の案だと言い切ってしまった方が無難かもしれない・・・)
イメージを僕独自の表現で言語化すると・・・・
一番下に「鳥カゴ」のような「肋骨支点」がドッシリと置いてあって。
その頂点は、鈍角に先細っていて、先っぽに「潤滑油」が塗ってある。
その上に、「やじろべぇ」が存在する。
そのやじろべぇの上にも「潤滑油」が塗られており、そのうえに「頭」が乗っけられている。
何かしらの動作を行うたびに、この「やじろべぇ」が「頭」と「肋骨支点」との間を「ズルズル」と滑るのである。
バランスを取りながら、前後左右にと、3Dにズルズルと滑るのである。
飽くまで自然の動きである。「やじろべぇ」の滑走の方向によっては、自然にバランスをとるために、身体のどこかも連動して動く。
そういうイメージ。
これ・・・わかるかなぁ・・・wwww
よし、
・・・・実際に写真をみてもらおうか・・・・
上図のように、例えば、僕から見てライトから廻し蹴りが来た時に、左腕で払い受けを行うという場合・・・
僕の「身体意識」は、およそ、下図のような感覚となっている。
鳥カゴ型の「肋骨支点」の上に置いてある、細長い「やじろべえ」があるのがわかるだろうか。
その「やじろべぇ」が上下の「潤滑油」を用いてダイナミックにズルズルと滑るのだ。これによって、体のバランスを十分に保った状態で左腕をライト側にムリなくもっていっているのである。
また
レフトからの廻し蹴りを左手の払い受けで受け流す場合も。
「やじろべえ」のダイナミックな滑走によって、低コストで高効果な受け流しを実現させることができる。
実は・・・上の図は単純な「肋骨やじろべぇ」ではない・・・・
様々な人生経験を経て、肉体的・精神的な奥行きのできた今、
僕の身体意識も円熟味を増してきている・・・
「肋骨やじろべぇ」の進化体、「ランニングシャツ」を使っている。
(高岡氏はこれを「ベスト」と表現しているが)
この身体意識のイメージはまさしく、「ランニングシャツ」である。
上記の線に沿って、両肩が胴体と分離するような感覚で動くのである。
これは、「肋骨やじろべぇ」の身体意識を研ぎ澄まし、肩甲骨の柔軟性と体全体の連動のレベルが向上した結果、得られるワンステップ上の身体意識である。
上写真の僕の払い受けは、左肩付近の「ランニングシャツ」のガイドラインに沿って、肩甲骨を前方にエグリ出しているのである。
おかげで体のバランスも、右肩への反動も、ある程度抑えられているのである。
ただ、注意してほしいのは、「ランニングシャツ」の位置づけは、飽くまで「肋骨やじろべぇ」の進化体である。「肋骨やじろべぇ」の感覚を感じれない人間には辿り着けない身体意識であるように思う。
とにもかくにも、とりあえずは「肋骨やじろべぇ」の意識を鍛えていくことが先決である。
あとは・・・
うちの道場の修羅、Y氏から見よう見マネで盗んだ技であるが・・・・
(僕の動きの大半は、このY氏の動きを参考にして作っている)
「抜き胴」である。
「抜き胴」の (A)カウンタータイプと (B)狙撃タイプのどちらにも、この「肋骨やじろべぇ」の身体意識が非常によく働いている。
(A) カウンタータイプ
相手の攻撃意識を僕の上段に向けさせておいて、「虚」となっている相手の胴を「抜きにいく」技術である。
これは相手の攻撃の先をとり、「肋骨支点」を思いっきり左斜め正面に吹っ飛ばすのである。そうすると「肋骨支点」に連動する形で「やじろべぇ」により大きな推進力がつき、前方にズルズルーと滑っていく。
その推進力を殺すことなくバネのようにダイナミックに右拳を押し出していくのである。あくまで地面から蹴り上げた推進力を連動によって右拳に伝えているに過ぎないので、腕力は一切不要である。むしろ腕に力が入ると推進力が殺される。
頭を左に投げ出しているのは、相手の上段突きを避けている以外にも理由があって・・・・
「やじろべぇ」の推進力で右拳がバネのように押し出される際に、バランスをとる意味で自然と頭が右拳の反対方向である、左に傾くのである。これがなんやかんやで功を奏して相手の上段突きを避けているのである。
運よくとでも言えばいいのか・・・
相手の感想は
「景嗣さん・・・正面にいたはず・・・消えました??」
こうよく言われたものである。
(B) 狙撃タイプ
原理は基本的には、カウンタータイプと同じである。
上図では相手の「蹴りの間合い」で、「抜き胴」を行っている。
「狙撃タイプ」と比較した場合、右拳のリーチを稼ぐために「やじろべぇ」の滑走をよりダイナミックに行う必要がある。
「やじろべぇ」の推進力を大きくしているために、頭がよりレフトに押しだされている。
思うに、狙撃タイプゆえにこれはあまりよろしくない。ヤマが外れてレフトから廻し蹴りが来たら、モロにもらう可能性がある。
(まぁ、確信に近いときに繰り出すのであって、その危険性はなるべく減殺しているが・・・)
この点、僕はまだまだ修行不足みたいで頭の動きが「非常にムダである」
Y氏は頭をブラすことなく、カウンター・狙撃を行っていた・・・
そうすると、まだまだ研究の余地がありそうである。
「肋骨やじろべぇ」の意識を鍛えるために、景嗣は特殊な訓練を行っているのだろうか。
答えは否である。
むしろ、「肋骨やじろべぇ」の意識は日常生活の中で鍛えている割合が大きい。
日常生活の中で「肋骨やじろべぇ」を感じるのは、主に・・・・
「手さげカバンを持っているとき」だ。
重すぎず軽すぎない重量の手さげカバンが最も望ましい。
手さげカバンの重量を感じながら、手さげカバンの方へ「ズルズル」と「やじろべぇ」が滑り落ちていく感覚を感じるのだ。
これを左右に持ち換えて、やじろべぇの滑走を感じ取るのである。
うまく滑りを感じられない人は・・・
おそらく、全体的に「脱力」が足りない。
膝に力が入っていたり、骨盤が寝ているせいで、大腿四頭筋、肋間筋、広背筋、脊柱起立筋、大腰筋、腸腰筋、横隔膜などの筋肉が緊張しているため、身体意識に「ノイズ」がかかっているかと思う。
あるいは、背筋が曲がっていて、「肋骨支点」と「やじろべぇ」の接着部分の「背中側」の意識が希薄になっているのであろう。(僕は接着部分の意識を背中側に感じる。だいたい背骨の上の方のS字の湾曲部分であるかな、と感じる)
そうすると極端に肩から胸にかけてまでの可動域が狭くなる。
「潤滑油」が少なくて、まったく「やじろべぇ」が滑らんという状況である。
まぁ、救いようがないくらい肩関節が固い人も感じれないかもね。まぁ、僕から言わせれば、そういう人は論外なんだけどな (全身の柔軟体操を毎日やることを勧める。正しくやれば日進月歩で柔らかくなるから)
通学途中の電車待ち、電車の中でよく手さげカバンを使って、「肋骨やじろべぇ」をよく感じ取っていた。
その意識を道場に持っていき、基本動作の中で応用していくのである。
僕、景嗣から言わせれば、ウェイトトレーニングなんて全然必要なくて・・・・
日常生活の動きを少し工夫するだけで、高度な身体意識を得られると思う。
これによって高パフォーマンス・変化のある動きを実現していけるような気がするのね。
昔、相当ウェイトトレーニングをしてきた僕だから断言できる。
ムヤミやたらなウェイトトレーニングは、自分のパフォーマンスを陳腐化させかねない。
だってさ、ライオンとかトラとか、ウェイトトレーニングしないやん。
でも彼らは、地上最速の疾走をするんやで・・・
人間だけやで、ウェイトトレーニングする生き物って・・・・
今後の景嗣放浪記では、僕の身体意識の紹介をチョロチョロとやっていこうかなと思う。
まぁ、気分次第でね。
やる気があったらやります。でへっ。
以上
景嗣