網膜剥離ー悪魔の接吻 その1

どーも、景嗣です。

 

景嗣放浪記のブログ記事でたびたび触れていることだが。。。

僕、景嗣は、2015年の7月に右目の「網膜剥離」に罹患した。。。

 

 

 

「悪魔が僕にキスをした・・・」

 

 

 

現在2018年4月末まで、何度も手術を受けて、色々と流れに流れて、いま右目の視機能は、役に立たないに等しい状態になっている。

 

完全なる失明というわけではない。ただ。。

 

活字がまったく読めない。

人間の顔がまったく判別できない。

判別できるのは、光と色くらいだ。

左目が無ければ、生活がままならない。

 

悲しいことに、後遺症として右目緑内障に罹患した。

失明ルートからは免れなくなった。

 

何故、眼科医学が進歩した昨今において、こんなにも網膜剥離の治療が難航したのか。

 

色々と要因はあると思う。

眼科の先生曰く、僕が今までの症例の中でもかなり稀有な症例であることから、治療が難航したとのこと。

確かに、ググっても全く参考になる資料が見つからなかったほどだ。

 

今回は、僕の「網膜剥離闘病記」についてベラベラ喋ることにしよう。

そして、もし僕と同じような症例に苦しんでいる人がいらっしゃるならば、本稿シリーズを是非参考にしていただきたい。

 

 

さて改めて、「網膜剥離」とは何であろうか。以下にテキトーに説明しておこう。

みなさん賢いだろうから説明をする必要もないだろうが、「網膜」とは、

↑上図部分を指す。ざっくり言うと、光として角膜、水晶体、硝子体を通過してきた映像情報を受け取り、それを神経信号に変換し、視神経から能中枢へ伝達する役割を果たす器官である。

 

カメラでいうところのフィルムといったところだ。フィルムという媒体によって初めて映像情報が認識可能なものに具体化され、写真になるのと同じ話である。

 

要は、「網膜」によって、目に入ってきた視覚情報を、脳的に認識可能な形に具体化することができるのである。いわゆる「見える」という状態をつくれるのである。

 

「網膜剥離」というのは・・・

何らかが原因となって、網膜が眼底から剥がれてしまう現象である。

 

カメラにフィルムが入っていない状態を想像してほしい。シャッターを押せど、レンズ越しに見えている視覚情報を認識可能な形に具体化して写真にすることはできなくなるであろう。

 

つまりは、「網膜」が剥がれるということは、目の前の視覚情報を具体化して脳神経に伝える装置を失うことに他ならない。

 

・・・まぁ、「見えなくなる」というわけである。

 

網膜が剥離した部分は、「黒いカーテン」がかかっているかのように視野が欠損する。とにかく視野のイチ領域が真っ黒になるのである。

そのまま放置しておくと、剥離部分が硝子体に牽引され、剥離面積が増えていく。

もうわかるだろう。放置すれば、最終的には失明するというわけだ。

何ともコワい病気だ。

 

 

ところで、僕、景嗣は何故網膜剥離に罹患したのか・・・

よく言われる。「少林寺拳法で右目をどつかれたのか??」と。

それは違う。

僕は少林寺拳法で右目を直接どつかれたことはない。

 

僕の網膜が剥がれた原因は、「アトピー性皮膚炎」である。

アトピーの炎症で痒みが生じると、炎症部分を無意識に掻きむしってしまう。

顔面を掻きむしると同時に眼球を刺激してしまうのである。

それが、年数を経ると網膜が弱り、穴があいたり (網膜裂孔) 、あるいは剥離 (網膜剥離) してしまうというのだ。

僕、景嗣は、まさにこれが原因で右目の網膜が剥がれ、視野が欠損したのである。

 

 

 

「悪魔が僕にキスをした・・・」

 

 

 

朝、起きると、右目の視野の上半分が真っ黒になっていた・・・

これは異常事態だと思い、急いで病院に行った。。。

右目の網膜が剥がれていた・・・

即手術である。

網膜剥離の術式は大きく以下の2つに分けられる。

 

 

(1) 硝子体手術

これを実際にやるのだ・・エグイね・・・

 

ざっくり言うと、剥がれた網膜は硝子体に癒着する状態になる。ゆえに硝子体を除去しない限りは、全剥離のシナリオを免れない。

そのため、硝子体手術によって、硝子体を除去し、レーザーなどを用いて剥がれた網膜を眼底に再度引っ付け直すのである。

 

上記図を見て頂こう。眼内照明ファイバーで眼内の視界をクリアにする。吸引カッターを用いて、眼内硝子体を切り刻み、硝子体の残骸を吸引していく。それと同時並行で眼内を硝子体類似の液体で満たしていく。硝子体さえ、除去できればあとはレーザーなどを使って、網膜を眼底に張り付けていくのである。

硝子体手術は、一般的に、高侵襲であるが高効果である。今では、網膜剥離の術式としてはポピュラーな位置づけとなっている。

 

 

(2) バックル手術

・・・ハイ、これもエグイですね。

 

まぁ、理屈をざっくり言うなら、外から強膜に圧力を加えることで、裂孔を通って網膜と眼底の間に硝子体の水が浸入するのを防ぐのである。また、網膜を眼底側に押し付ける作用も期待できる。

しかし、網膜を牽引する硝子体は残ったままなので、この手術単体では再剥離のリスクはまぁまぁある。最近ではバックル手術は、硝子体手術ありきで実施されることが多い。

ちなみに上図では、シリコンを眼球の全周に巻いているが、裂孔・剥離面積が狭ければ、局部にシリコンを引っ付けるのみで済むとのこと。

まぁ、低侵襲ながらも低効果という評価になるだろうか。。

 

 

医学は日進月歩、進化し続けている。

昨今では網膜剥離の手術はお手軽になったとの見方も強くなっている。

さらに、僕が選んだ病院は日本有数の眼科手術専門の病院であり、網膜剥離手術成功実績もかなりの数ある。さらに良いことに僕の主治医はかなりの腕利きのようである。

術式(1)であれ(2)であれ、手術は楽勝だと思われた。

 

ところが、主治医はなんだか頭を抱えている。。。

「ただ単に網膜が剥がれてるだけなら簡単だけどね。景嗣くんの網膜は、アトピーで穴だらけになった状態で剥離しているのね。つまり、たとえ硝子体手術で網膜を引っ付けたとしても、一つでも網膜の穴を塞ぎ損ねたら、そこに水が入り込んで再剥離してしまう。この手術はかなり難しい。。。」

 

・・・なんだと・・・

 

「一般的に網膜剥離の手術成功率は90%以上なんだけど、10%の失敗ケースに君は入り得る。。。あと、君の眼底の炎症はスゴイ。仮に手術が成功したとしても、場合によっては細胞に異常を起こして、増殖性網膜症を発症し得る。こうなったら一発で失明だよ」

 

・・・・・・(言葉が出ない)

 

「とりあえず、硝子体手術とバックル手術を同時並行でやります。硝子体手術では網膜の裂孔を見落とすことなく塞ぎ切り、バックルはシリコン全周でやります。とにかくやれる術の全てを一回の手術に盛り込みます。景嗣さん、頑張りましょうね」

 

「僕の右目・・・どうなるんだ・・・・」

冷や汗が止まらなかった。

しかし、放っておいてもどの道、失明する。

Ride or Die・・・ 手術する以外の選択肢はなかった。。。

 

 

さて、手術は・・・・

 

オペ時間「3.5時間」・・・・結果は・・・・

 

成功である。

 

硝子体手術における裂孔の見落としはゼロだったみたいだ。ただ、バックルで眼球を絞る時は、痛すぎて何度も気絶しそうになった。(しっかり局部麻酔してるのに、だ)

 

当初、視力の原状回復は絶望視されていたものの、何とか成功させてくれたのだ。ありがたい。

 

ただ、手術における侵襲の程度が思いのほか大きかったらしく。。。

↓(術後2日経過時点でこれだ。眼球が腫れあがってマブタが閉じれないのである。術後まもなくがどんな状態だったか、想像するのも恐ろしい)

麻酔の効果がキレるや否や・・・・

あまりの激痛に悶え苦しんだ。。。

身体に本能的な拒絶反応が出たらしい。何度も嘔吐した。

最終的に錯乱して、ナースさん総がかりで介抱する体制が採られた。

 

・・・という苦労があったものの、一旦は手術が成功したのだ。。

安堵・・・

 

術後経過の生活スタイルを少し紹介する。

眼底に網膜をより引っ付けるために、手術時にあらかじめ、空気より軽い気体を眼内に入れておく。

次に↓のような枕を用意し、うつぶせに寝るのだ。

まぁ、要は下図のような理屈で網膜を眼底に押し続けるのである。

四六時中だ。24時間この態勢でいるのが、まぁまぁツラかった。

 

 

まぁ、痛みは中々引かないが、しばらくはゆったりした入院生活が始まるのである。

 

 

 

 

 

 

 

「悪魔が僕にキスをした・・・」

 

 

「僕は悪魔の抱擁を見事に振りほどいて見せた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・つもりだった・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

「悪魔は僕の唇をモノ欲しそうに見つめながら、かろうじて僕の足首に喰らいついていたのである・・・」

 

「『骨の髄まで、オマエを犯してヤル』 そういう目つきで、僕のことを睨んでいた」

 

 

「悪夢は始まったばかりだった・・・・悪夢はまだ終わらない」

続くよ

景嗣

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