洗脳ーマインドコントロール その3
どーも、景嗣です。
洗脳の話、長いよね。。。すんません。。。
とりあえず、以下前回「その2」の話の続きである。
本シリーズの「その1」「その2」については、各自確認されたい。
以下にリンクを貼っておく。
おい、お前の商売が違法かどうか?? 残念ながら、僕はまさにそこらへんのビジネスに関する知識を大学でかじっている人間だ。釈迦にまでは遠く及ばんが、誰に説法しとるんだね、という話である。本気を出せば簡単に論破できる自信があった。
確かに、座学で説明する分には、完全なる違法とは言い難いのが実情。体裁さえ整えていれば一応は合法であろう。しかし、ビジネスに実際に着手した場合、違法スレスレの営業・諸活動をする必要がある と考えられる (ここらへんは薬事法とかを参照してほしい。これ以上詳しくは言わんが、その他の特別法などもいくつか参照すれば、かなりの規定に引っかかり得るビジネスモデルだ) 。
合法か違法か以前の問題で、人脈を媒体にするビジネス、物理的な限界があるのは目に見えておろう。儲からないのが目に見えている。さらに、正社員として企業に雇われて営業で働くのと比較して大幅にピンハネされているという構図が容易に見えてくる。パッと今聞いただけでも想像がつくほどに。
悲しいかな、洗脳で頭がトロけている当の本人はそういうことに全く気付かないらしい。
そのビジネスの話をしているときの彼はまあ饒舌だ。耳を傾けてやれば、相手のペースなんて考えずに、ビジネスの詳細についてベラベラと喋ってくる。内向的で口数の少なかった彼の面影は完全にゼロである。
矛盾点というかおかしな点が多々出てくるのだ。彼が口を開くたびに。しかし・・・
「さっきいったそれってさ、○○◇◇でこういうわけだろう?? だったら、●●の場合に不条理に××になるっていう危険性があるんじゃないか」と僕が論理的に意見を述べた場合。
「いや、NASA並みの技術力を有する△△社では、世界中の勧誘活動を100%監視する態勢が整えられていて、それらの数値もすべてデータ化して間違いゼロで管理されている。△△社はきっと今の俺たちの会話の一字一句もすべて監視し記録しているだろう。ゆえに何も問題ない。。。物理的な無理も△△社の極秘技術なら可能になるのだ。。。」
バカな・・・コイツ本当に脳みそがトロけてるんじゃないか・・・
論理で導いた当該ビジネスの実務上の急所を、その組織の「摩訶不思議な技術」ですべて無いことにしてくるのだ。どれほど優れた論理であっても飛び抜けたアホには効果がないらしい。洗脳もここまでくると妙技である。
相手がアホ過ぎて議論が平行線になったときの解決方法の相場は決まっている。今までに話した内容を白日のもとに晒して、「社会」というオーディエンスに客観的に判定してもらうに限る。A君を改心させるためだ。そうと決まれば・・・ん?
「景嗣、さっきから聞いてりゃ、俺のことをコケにしてるのか??」
ん? 何か話の風向きが変わったか? とりあえず一旦泳がせてみよう。
「俺はな、大学院に落とされてから、親からは失望され、プライドもズタズタになっちまった。精神的にボロボロだったのよ。はぁ」
「はぁ、そんな時だ、幼馴染に△△社のことを紹介してもらったんだ。そこで俺はかつてないまでの感動を覚えた。ここのコミュニティにはスゴイ人たちがたくさんいるんだ。はぁ。」
「どんなことも世界もこのビジネスで簡単に変えられると確信したんだ。はぁ、俺がこの目で見たんだ。この俺の目に狂いはない。ビジネスチャンスは今しかないんだ。はぁはぁ、お前も今すぐ俺の下に着けよ。」
どうやら、大学院に落ちて「心の破壊」が起きて、△△社の何らかのイベントで「心の再凍結」が完了したらしい。ここまでくるとA君の目は完全にイッてた。とにかく圧がスゴイ。はぁはぁ言うてるし異常なまでの興奮状態だ。まるで喋るゾンビである。
「コワい・・・」。体中にほとばしる悪寒に僕も耐えかねてきた。
「A君・・・親御さんと話はしたのか??」苦し紛れに率直な疑問を投げてみた。
「したよ。両親には『△△社の勧誘をするために受かった大学院を辞退する。資金稼ぎの時間がないんだ』って言ったさ。そうしたら、母さんは泣きながら、『お願いだから、理系なんだから大学院は出てよ・・・』っていってたよ。△△社の教えによれば、両親は【ドリーム・キラー】なんだ。大学院に通ってる時間なんか僕にはムダなんだ。ドリーム・キラーに俺の夢を邪魔されてたまるか。俺は院進学を辞めるつもりだ。今の俺は何でもできるんだ。」
ブチィ!!
僕の中で制御装置がブチ切れる音がした。
20数年間育ててもらった親への感謝の気持ちどころか、恨み節を恥ずかしげもなく言ってやがる。そして、院浪人してまで手に入れさせてもらった院進学の切符も早々に捨てるだと。優しいA君のお母さんの涙を想像すると、僕は怒りと哀れみで胸が張り裂けそうになった。もう限界だ。
「いい加減にしろ。もうお前とは絶交だ。今後一切俺の前に姿を現すな」
なるべく理性的に、かつ暴力もなしに。お酒も途中だが、もはやコイツの前で飲む酒は泥よりマズイ。およそのお金だけ置いて、何も言わず帰ってやった。
楽しい飲み会のつもりが、今生の別れ宣告会に変わってしまったというなんとも悲しい話である。。。
僕としては、むしろA君の両親が心配で、これ以降定期的に連絡させて頂いている。2018年4月11日現在、今もなお彼は派遣社員をしながら、なけなしの賃金で勧誘活動に勤しんでいるらしい。。。
どうだっただろうか。A君自身、世間知らずで無知なところもある。ひっかかって然るべきという意見もあろう。
僕個人の意見として、A君が「洗脳」にかかり、5年経った今もなお「洗脳」が解けないのには、明確な理由があるように思う。
それは、自分に対する「過剰な自信」である。「慢心」とでもいうべきか。
自信過剰の人間は自分の判断を信じて疑わない。彼が正しいと最初に思ったら絶対に正しいのである。
ある種、就職活動における採用担当の心境と似ているところがある。採用担当は、学生の第一印象が良ければ、そのあとの諸々の質疑応答でマイナスと思われる部分が出ても、ポジティブな方向に評価しようとする傾向にあるらしい。(例えば、うまく志望動機を言葉で言い表せない学生がいたら、「緊張しているんだね。それほどまでにうちの会社の面接に懸けてくれているんだね」という風な感じだ)。逆に第一印象が悪ければ、ずっとネガティブな方向に評価しようとするらしい。
採用担当者が仕事に対するプライドが高ければ高いほど上記のような心理的作用が強く働くらしい。自分が最初に下した善悪の判断をムリヤリにでも正当化させたいからとのこと。意識的でなくても潜在的にこういうことは起こってしまうらしい。
最近そういう話を複数の人事採用関係の人間に直接聞いた。まぁ、内定の有無を左右するのは結局、アホの判断というわけである。
要するにプライドが高ければ高いほど、一旦「いいモノ」と判断してしまうと、そのモノが「実は本当はよくないのではないか」と批判的に見ることがなかなかできなくなるのである (「見たくない」という表現が適切か??) 。
ゆえにコロッと洗脳にかかってしまえば最後、いつまでたっても集団の教えを盲目的に信じて疑おうとはしないのである。ずっと搾取され続けるのである。これもすべて「俺様の判断が間違えてるはずがないんだ」という彼のプライドの高さが原因なのである。
西洋文化で「七つの大罪」というのがある。「色欲」「暴食」「強欲」「怠惰」「嫉妬」「憤怒」「傲慢」である。
この中で、最も重い罪と位置づけられるのが「傲慢」である。
今ではこの意味がよくわかる。「傲慢」は自分・他人の人生を絶望的なまでに破壊しかねない人間の感情だからである。
本シリーズを最後まで読んでいただけただろうか。取り上げた事例はノンフィクションだ。僕の人生25年の中で1、2位を争う恐怖体験だ。読者のみなさんにはこういう思いはしてほしくない。
今一度、自分の心の持ちようを振り返って頂きたい。みなさん自身の人生のためにも。
僕自身、今一度自分の心の持ちようを振り返ってみることにしよう。
脚下照顧。
以上
景嗣
完読
洗脳の仕組みって複雑なもんじゃないんやね
プライドを謎の理論で壊して
堕として、拾う
自作自演
客観的に見ていると『まさか』と思う事でA君が洗脳されたのが分かる
目を覚ます事もなく続くって
洗脳の解除ってのはないのかな
地球は丸い
この常識を今から地球は平らだと思えるか
そのくらいあり得ないと断言できるけど
洗脳はそんなんぶっとばして、できてしまうんだ
地球は平らだと信じてしまうのか
△△社だけを恨むべきだと思う
大切なA君を狂わせ、A君の家族を狂わせた△△社を白日の下にさらせないものか