洗脳ーマインドコントロール その2
どーも景嗣です。
「洗脳ーマインドコントロール その1」の続きです。
前回から長々と気持ち悪い話をしているが、よかったら続きを見てください。
以下、本シリーズの「その1」のリンクを貼っておく。各自確認されたい。
以前の記事のおさらいだが、洗脳とは、「集団が何らかの特殊な教育・言動を施すことによって、対象の意思能力に何らかの麻痺作用を引き起こし、正常な判断を妨げるように仕向けること」という風に説明させて頂いた。
そして最後の結びの部分で、洗脳にかかる重要な要因は、対象の「心の脆弱さ」、もっと具体的なニュアンスで表現すると「心の弱り方」であると説明させて頂いた。
普段心の持ちようが強い人であっても、人生の岐路に立って、心に大きな傷を負う時もある。そういう時には集団の洗脳を受け入れてしまいやすいのである。
これが「洗脳―マインドコントロール その1」のテキトーなおさらいである。
前稿でもちょいちょい触れたけども、「俺は、こんな洗脳なんてひっかかんねぇよ」と自信満々に言う奴ほど、洗脳にかかりやすく、そして洗脳が解けにくい。本稿では、この理由に関連しそうなことをベラベラ喋ってみよう。以下に述べるエピソードは僕の生々しい経験である。見てって欲しい。
僕には、他大学に進学した友達A君がいる。まぁ軽く幼馴染なんだが、彼は僕と違って肌がキレイで二重、細身で華奢な中性的な男である。いわゆる美形男子だ。肌が汚くて一重の僕からしたら羨ましい存在である。
しかしながら、A君は少々オタクで、変形ロボットのアニメが好きだったり、内向的であったりした。その上プライドが高い。自己評価が異常に高いのである。テレビゲームで負けようもんなら、ゲームの主電源をムリヤリ切ったりするほどだ。(おいおい、高かったんだから、機械が壊れるようなことすんなよww)
そんなA君、僕とは別の大学だが、理系の学部に進んだ。僕のような文系男子は学部4年で卒業し就職するのが一般的な進路である (まぁ、僕は変態だから大学院に進学したけど←) 。しかし、理系男子は概ね大学院に進学するというのが一般的なコースらしい。
しかし、彼の頭の中は「アニメとゲーム」でいっぱいだった。学部4回生の時に声優の学校を掛け持ちしていたりして、大学の勉強はそっちのけという状態だった。A君いわく「うちの大学院、形だけテストを受けてさえいれば誰でも受かるようになってるねん。やから、大丈夫大丈夫。それに俺『天才』やし」とのこと。おそらく、A君の親御さんにもそういう説明をしていたんだろう。呑気なもんである。
ある日、A君から電話がかかってきた。声のトーンがかなりか細い。A君いわく「大学院の内部進学試験、落ちた」とのこと。まぁ言わんこっちゃない。形式はどうであっても有名私大の大学院の試験、生半可じゃ通らんやろう。僕からしてみれば当然の結果である。
それにしても、彼の声のトーンが尋常じゃないほどに低い。おそらく電話口の向こう側に居る彼は死んだ魚の目をしていただろう。親御さんにもだいぶ叱咤されたようだし、何より自分のことを天才だと思い込んでいる彼のプライドはズタズタになっていたんだろう。A君のライフポイントはとっくにゼロになっていたらしい。
その日、僕は「大学院に落ちたからって死ぬわけじゃないねんからさ」とA君を軽くなだめておいた。
そんな彼、1年間大学院浪人して、見事学部時代を過ごした大学の研究室に内定が決まったらしい。臥薪嘗胆、よかったよかった。ある日、僕はそんな彼にお祝いをしたくてゴハンに連れて行ったのである。
この時僕はまだ知らなかった。この後に待ち受けていた悲惨な結末を。
メシ屋の席に着いて、酒を飲み始めるやいなやA君がこう切り出してきたのである。
「景嗣、いまのトヨ〇自動車の会社全体の売上高って○○円やんか。でも主事業の自動車販売の売上高は○○円しか無いんねん。何でか知ってるか?? それはな、マグロの養殖事業とかで別途稼いでんねんで・・・あの天下のトヨ〇がやで?? 今はな、ビジネスの仕方が多様化してる時代やねんでぇ」(マグロ?? は?? なんの話だ??)。
びっくりした。や、企業が不況対策などのためのポートフォリオとして事業を細分化する場合があるなんてことに今更驚きはしない (稲盛よろしくアメーバ経営的なあれだ) 。問題は、オタクで基本アニメとゲームの話しかしないA君が開口一番にビジネスの「ウマ味」の話をし始めたことである。
かといって「A君も大人になったかー」と言えた雰囲気ではなかった。彼の目の奥が笑ってないのと、彼のニヤケ方がこの上なく不気味だったのである。
「なんか、ヤバいことになってるかもしれん」。僕はここから、お酒に理性を奪われないように慎重にグラスを口に運ぶようにした。
「実は俺、浪人中にな、感動した話があんねん。まぁ聞けよ。」そう言ってA君はカバンから大きめのメモ用紙を取り出して、図描しながら何やら色々と一方的に説明し始めたのである。
ちょっと待て。。。その図。。。
1匹のネズミが子ネズミを産んで2匹に増えて、その2匹がまた2匹ずつ子ネズミを産んいって、次第に無数の子ネズミが産まれて、その無数の子ネズミの業績が最初の親ネズミにウマ味として還ってくる、という、まるであのビジネスモデルじゃないか。。。。
「それ、ネズミ講やろ」ほぼ反射的に口走ってしまった。その瞬間。
「ダンッ!!」A君はまぁまぁな勢いで机を叩いた。
「 違うっ!! ××マーケティングっていうんや!! これは合法やねんで!! お前はそんなことも知らんのか!!! アホとちゃうか!!」
(付言するが、「制限されている」という表現が正しい。どれだけ法に触れないような実態を取り繕っても、社会的にグレーなゾーンを走るようなビジネスである。これに類似してなおかつ白に近いグレーとして社会的に容認されているのが、いわゆる「フランチャイズ契約」といったところだろうか) 」
何がびっくりしたかって、「や、それ違法やん」みたいな横槍を少し入れただけで、A君は鬼のような形相と声で僕を怒鳴ったのだ。公衆の面前で机を叩いて大声を張り上げてきたのだ。以前のクールなA君とはまるで人格が違っていた。
嫌な汗が体中に流れ出てたのを今でも覚えている。何者かに憑依されているんじゃないかというくらい、昔の彼の面影がまるで残ってないのである。。
狂気というか妖気がハンパない。。もはや、A君の皮を被った別人と対話している感覚だ。
ここから、友人の飲み会ではなく、悪徳勧誘をする狂った業者と一般消費者とのバトルに変わったのである。
ここまで来たら言うまでもなかろう。A君は何者かの手によって、完全に「洗脳」されているのである。異常な立ち居振る舞いがかなり気持ち悪い。
え? もうこんな字数??
続きの話は「洗脳-マインドコントロール その3」に回そう。
明日以降に更新します。なるべく次編で完結させます。
すんませんが、次回も見てね。
以上
景嗣
この話。。。
理系の大学院まで行ったA君
さぞかし賢く、分別もつく力はかなりあったと推測
しかし、ふと弱った時に。。。
どうやったら洗脳されてしまうのだろう
ふと弱っただけで、人格が変わるほど、心が奪われてしまうものなのか
鋼で出来た鎧は脆い。
そんな所だろうか
俺個人『絶対に騙されない』と強く思っているだけに
信じられない
その3を読もう